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緑の季節【第二部】

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沙耶香の住む町に近づいた頃、会った時のことばかり想像していた。
(部屋を訪れるのはよそうかな・・)
覚士は程近いコンビニの駐車場に入ると沙耶香に電話を掛けた。
連絡はメールがほとんどだったので電話を掛けるのは緊張した。
「あの、新城さんの携帯電話ですよね」
「はい」
「あっ、真壁です。こんばんは」
電話の向こうから沙耶香の吹き出した笑いが聞こえた。
「真壁さん、沙耶香です。こんばんは。ほかに誰も出ないから もっと気楽にしていいですよ」
「そうなんだけど、仕事以外になかなか電話ってしなくなったから、ちょっとね。あー今近くのコンビニに居ますが沙耶ちゃんは出られるのかな?できれば出てきて欲しいけど」
「いいですよ。交差点の所のですよね。今から行きます」
切った電話を握りしめながら少し後悔していた。
やがて沙耶香の姿が見えた。
覚士は運転席から助手席のドアを開け、沙耶香を迎え入れた。
「やっぱり少し寒い。こんばんは」
「すっかり遅くなってしまったけど、間に合ったかな。ごめんね、寒いのに。呼び出すべきじゃなかったな。部屋へ訪ねたほうが良かったね」
「ううん、部屋散らかっているから見られたら恥ずかしいかも。良かった」
覚士は車を走らせて夜景の見える小高い場所に停車した。

作品名:緑の季節【第二部】 作家名:甜茶