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緑の季節【第二部】

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駅から実家へと向かった。
玄関で土産と引き換えに車に乗り込むと 里実の墓参りに出かけた。
途中、花屋へ立ち寄った。
店頭に並ぶ花々は彩りも鮮やかな夏花。
代表ともいえる「ひまわり」とそれに添える小花を花束にしてもらった。
お盆が近いからだろう、いつもはどこでもすんなり駐車できるスペースが、今日は譲り合って手間取っていた。
それでも運良く、出る自動車と入れ替わりでさほど待たずに停めることができた。

墓地に上がる階段で『*****』の女性に会った。
そういえば、七回忌法要の朝も会ったことを思い出した。
「こんにちは」
「あら、こんなところでお会いするなんて。奥様の・・」
「はい。あのこちらにどなたが?」
「主人だった人。若い時にね」
「そうなんですか」
「お時間があったらお参りの帰りにでも寄ってくださいね」
「はい。ではまた」

覚士は、墓地へと向かった。
きっと里実の両親だろう、墓の周りはすっきりと整って雑草も生えていない。
まだ新しい花が供えられていた。
覚士は、いつも通りに花束を墓前に置いた。
「ただいま」
覚士は、3ヶ月間のことを話すように墓前で手を合わせた。

作品名:緑の季節【第二部】 作家名:甜茶