緑の季節【第二部】
週末、携帯電話に里山から電話がはいった。
彼からの申し込みにどう答えたらよいか、というものだった。
「そのままの気持ちを答えるのがいいと思いますよ。僕が言えることかどうかわかりませんが、仕事も貴女のことも真面目に考えていると思うし。里山さんがまるっきり嫌じゃなかったら付き合ってみるのもいいんじゃないかな」
後日、男性社員がいい返事が届いたことを伝えてきた。
その夜、メールが届いた。
『沙耶香』
《ご無沙汰してまーす。実は就職決まりました。報告でした》
(あれ?それだけ・・)
《おめでとう。今度お祝いをしよう。いつなら会える?》送信
《会わない》
《何故かは聞かないけど、待ってて・・って言ったよね》送信
覚士は、初めて不満を含んだメールを送った。
しばらくして届いたメールに覚士は冷静になった。
《ごめんなさい。沙耶香も会いたいです。今度の週末に会いに行っていいですか?》
《じゃあ、何時でも構わないので来てください。僕も話があります》送信
その週は長く感じた。
週末は、冷え込みが厳しい日となった。
ああはいったものの、何処かまで迎えに行ってあげたいとそわそわと沙耶香の連絡を待っていた。