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緑の季節【第二部】

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店に着くと、その売り場を目指した。
手にしてレジカウンターへと差し出すと店員はにこやかに「プレゼントですか?」と尋ねた。
「はい、お願いします」
「では、この札でお呼びしますので」と小さなカードを受け取った。
待っている間に落ち着きを戻した覚士は、自分が可笑しかった。
こんな衝動に駆られたことなど幼い日にあった記憶以来だった。
しかも値段もとりわけ高価であるわけでもなく、何より女の子が立ち入りそうなファンシーコーナーの あるかどうかもわからないまま探しに来た品物だ。
待っている間も女子高生が(場違いでしょ)と見て通る気がして早く握り締めたこのカードを換えたいと思った。
「お待たせしました」
そう言われカードと引き換えに受け取ったそれはリボンで飾られたどこから見てもプレゼントとわかる包装が施されていた。

帰り道の車の助手席に置かれたその包みを横目に 沙耶香に会うことを決めた。
部屋に戻った覚士は風を感じた。
慌てて出かけたらしく、窓を閉め忘れていた。
覚士は、プレゼントの包みをテーブルに置くと沙耶香へメールをした。
《24日に会いましょう。待ち合わせは***で》送信。
沙耶香からの返事にはたくさんのイラストとハートマークがはいっていた。

作品名:緑の季節【第二部】 作家名:甜茶