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緑の季節【第二部】

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街中にも、秋の気配が色濃くなってきた頃、覚士の仕事も順調のうちに予定の任期は後半へと差しかかった。
社内の人とも退社後の時間を過ごす日もあるようになった。

あの日以来、メールも届かない沙耶香のこともいつしか気にならなくなっていたが、忘れた頃に便りはやってきた。
『沙耶香』
《ご無沙汰でーす。今日、就活でこちらに来ています。真壁さんお時間ありますか?》
壁掛けの時計は定時の退社時刻まであと30分ほどだったが、今日は元会社へのデータ送信もある。
(すぐは無理だな)
窓の外は、日暮れが早い頃、覚士は作業を進めながら予定を立てるが分からない。
《メールありがと。もう少しかかるけど、どうする?時間の潰せる所で待ち合わせしようか?適当に決めてメールしてください》送信。
《はい》
結局、覚士が退社できたのはそれから2時間近く後となった。
すっかり暗くなった街を待ち合わせ場所へ向かった。

作品名:緑の季節【第二部】 作家名:甜茶