緑の季節【第二部】
翌日は、昨夜遅かったこともあり 昼頃に出社した。
3,4人出社していたが、皆、休みに入ったようだ。
静かな事務所は、昨日持ち帰った資料整理には落ち着いた。
ほどなくして、明日の準備も整ったところで退社した。
翌日から2日に渉る元会社の社員との作業。長く付き合ってきた同僚だけにスムーズに
進めることができ、予定よりも早く完了することができた。
二人は、お疲れ様会と久し振りの語らいに花を咲かせた。
仕事のことから始まった話も、巷の情報やニュースなどの話やたわいない話になった。
「俺、秋に結婚することにした」と話に紛れて彼は言った。
その彼は「独身貴族」を豪語していただけに以外だった。
「ええっ誰と?」
聞くと、会社の受付事務の女性の妹で、飲みに行った先で偶然会って意気投合。
そのうえ彼女のお腹には新しい命まで授かったというのだ。
「極端なやつだな。おめでとう」
「おお、実は俺が一番驚いているかもしれないな。9こ下なんだけど、結構、俺が尻に敷かれてるっていうか、操られてるっていうか」
「嬉しそうだな」
「まあな。それがまた可愛いんだ。おまえもそろそろいいんじゃないか」
「・・・」
「今、うちに派遣できている・・」
「水上さんか」
「なんだ、知ってるのか?チェック早いな。彼女いい子だぞ」
酒も程よく回っているせいだろうか、口も滑らかに言葉を吐き出して盛り上がった。
時間も夜に入った頃、早く会いたいからと彼は、彼女の待つ町へと帰って行った。