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緑の季節【第二部】

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翌朝、目覚めた時、部屋には昨夜の食べたものが置きっぱなしになっていた。
珍しく意識がとんでしまったかのように眠ったらしいことは覚えている。
折りたたみ型の携帯電話が開いたまま床にあった。
(メールしたんだっけ)
ゴミ袋に食べた器を片付け、朝のシャワーを浴びた。
体も気分も爽快になった気がしたが、理由は他のところにもあるようだ。

社内のほとんどが盆の休みに入るせいか、何となく落ち着きのない事務所だったが、覚士の仕事にはさほど影響はない。
皆が、休みに入った頃が、覚士の多忙気になり、そのために元会社からの応援も来ることになっている。
元会社からのメールが入ってきた。
《明後日、こちらからの応援行きますが、直接、社に伺えば宜しいですか?080-****-**** 連絡番号です。水上》
(あっ、水上さんからだ)
《のちほど連絡入れます》送信。

昼を過ぎ、午後の業務が始まってまもなく、事務の里山がやってきた。
「真壁さん、一応、休日の事務所使用手続き用紙の記入をお願いします。鍵は後ほど総務で受け取って来ますから」
「はい」
「・・決まりましたか?一緒に行く人」
「ええまあ」
「そうなんだ。楽しみですね」
里山は、くるりと向き直ると、手元で紙片を握り込んだ手を制服のポケットに突っ込んだ。

作品名:緑の季節【第二部】 作家名:甜茶