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緑の季節【第二部】

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畳んだばかりの洗濯ものの中から「室内なら」というくらいのダラダラになったTシャツとトランクスを掴むと浴室へと行った。
ほとんどの入浴はシャワーで済ませていたが、この時期の火照った体にかかる温めのお湯と水圧は心地良く疲れも流れ落ちるようだ。
風呂上り、まだ噴きだしてくる汗をバスタオルで拭いながら、コンビニで買ってきたものをテーブルに並べた。
冷えたグラスに発泡酒を注ぎ入れると半分以上が泡にかわる。
その泡が少し納まったところに 注ぎ足しグラスを満たす。
落ち着いたところを一気にぐびっと飲み干す。
至福の時と言わんばかりに大きなゲップを吐き出した。

テーブルの端に置かれた携帯電話のメールを見た。
『沙耶香』
彼女から2通めのメールが届いた。
《こんばんは。夏休み製作の為、今日は学校へ行きました。真壁さんは仕事でしたか?》
「はい、仕事でしたよ」
覚士は、メールを見ながら話しかけた。
(メル友なのか。13歳も年の下の子と付き合えるわけないよな。21歳なんて出会った頃の里実よりも若いし、あの子だって そのうち、つり合いのいい彼ができれば自然消滅だろうし。まあ会うわけじゃないからいいか)
「会うわけじゃ・・・か」
ふと、札入れにしまい込んだチケットを取り出して見た。
日にちの指定はなかったが、有効期限は記されてあった。
《食事のチケットがあるのですが、都合を教えてください。できれば今度の土曜、日曜、来週の土曜のいずれかで。もちろん断わっても構いません。場所は***です》送信。
返信は5分とたたないうちに届いた。
《お誘いありがとうございます。お願いします。今度の土曜で》
《了解》送信。

作品名:緑の季節【第二部】 作家名:甜茶