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緑の季節【第二部】

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先に食べ終えた覚士だったが、沙耶香が終わった頃、話し始めた。
「あのモーニングセットのサンドイッチは君が考えたの?」
「あれは、伯母の家に居る時に自分が食べるために作ったんです。店があるから私のことまでいつもできないし、伯母もなかなか食事する時間が無いから、作ってあげたの。それからメニューにするねって。そういえば真壁さん、ファンだって聞いたけど」
「ああ、ちょっと思い出にダブってね」
「私のどうだった?やっぱり伯母のサンドの方が美味しいよね」
「ぼくは、君のが食べられて良かった。どんな人が作っているのかずっと気になってて
通ってたから。もちろんママのは美味しいね」
「じゃあ今度、リベンジ。ってもうないかな」
沙耶香が下を向いた。
(この子といるのは今だけ)
「そろそろ行こうか」
「はい。ここは私に払わせてください」
そういうと覚士よりも先に伝票を持って席を立っていった。
覚士は、レジの横を通り抜け、先に自動車のドアを開け、こもった暑い空気を逃がした。
支払いを終えて出てきた沙耶香は手に持ったこの店の割引券を覚士に「使いますか」と差し出した。
覚士は、首を横に振ると「じゃあもーらお」とバッグの中に入れた。
「ご馳走様。どうぞ」
覚士は熱くなっているドアノブを引くと沙耶香を乗せ、ドアを閉じた。

作品名:緑の季節【第二部】 作家名:甜茶