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緑の季節【第二部】

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「おまたせいたしました」
角皿をテーブルに置きかけたとき、トレイのグラスがズレたが、ママの手助けで零さずに済んだ。
沙耶香はぺろりと舌を出すとカウンターへと戻って行った。
「いただきます」
覚士は何となくいつもと違うと手にしたサンドイッチを見た。
白い角皿に並べられたフルーツやデザートもいつもより少し多めに感じた。
「ママ・・これって本家ですか?」
「ええ。やっぱりわかりましたか。沙耶香ちゃーん」
沙耶香が再びカウンターから出て来た。
覚士は手にしたサンドイッチをひと口かじってふと口を止めた。
ママの作るものとは少し違う。
どちらが美味しいと甲乙があるわけではなかった。
ただ、覚士には里実を思い出させる食感だった。
「美味しいですよ。ママの完成品とはまた違って家庭的な感じかな。うん、これが本家本元ですね。嬉しいです」
「良かった。で、これは・・・」
沙耶香は覚士の耳元で小さな声で「私のおごりですから」と言って離れて行った。
「伯母ちゃん、荷物持って来るね」と内扉の奥へと行ってしまった。

覚士がそれらを食べ終わった頃、沙耶香がカートタイプの荷物を持って店内に戻ってきた。

作品名:緑の季節【第二部】 作家名:甜茶