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緑の季節【第二部】

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『さんぽみち』への道は通常の朝のラッシュはあるものの、スムーズに進んだ。
それでも、約束の8時を少し回ってしまっていた。
駐車場の枠の真ん中よりズレた状態に車を停めてしまったが、店内に入った。
「おはようございます」
「おはようございます」
ママは笑顔で迎えてくれた。
覚士がいつも座る席に『予約席』の手作りプレートが置かれていた。
2,3席モーニングセットを食べている客が座っていたので何処に座ろうか、眺めている覚士の背中に誰かが触れた。
「おはようございまーす」
「おはようございます。遅くなりました」
「モーニング食べるでしょ。どうぞこちらへ」
沙耶香はガイドのような手付きで『予約席』のプレートの席を指した。
「いらっしゃいませ。今お持ち致します」
沙耶香は、初めて会ったときよりもにこやかな笑顔でカウンターへと消えて行った。
それとすれ違うようにママが水とおしぼりを持ってきた。
「今日はすみません」
「いえ、8時半頃に出発しようかと思ってます。でも遅れてしまってすみません」
「来てくれるかな?って昨日から」と、ママは沙耶香に視線を向けた。
「はは・・」
沙耶香は、左手のトレイにアイスコーヒーを乗せ、右手に白い角皿を手にして戻ってきた。

作品名:緑の季節【第二部】 作家名:甜茶