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緑の季節【第二部】

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実家に辿り着いた頃は夕暮れ近くだった。
待ち侘びたように両親は覚士を出迎え、父親とは枝豆とちくわにきゅうりのツマミで
ビールのグラスを傾けた。
「ただいまーって感じだな」
「おかえり」
「くーいいね、ビールは」
髭のように上唇についた泡を舌で拭うと残りを一気に飲み干した。
「あちらでも飲んでいるの?」母親は聞いた。
「ときどき、発泡酒を。でもすぐ寝ちゃうよ。まだ慣れてないのか疲れる」
「まあひと仕事任されるようになったんだ、頑張れよ」父親は言った。

最近は、健康に過ごしている母親。あと2年で定年を迎えるという父親。
覚士には元気をもらう人がまだまだ周りにいることが妙に嬉しかった。
その夜は、飲んだこともありそのまま泊まることにした。

翌日は、里実の実家を訪ね、仏壇に手を合わせた。
「少し早いですが、お盆にはまたあちらに戻らないといけませんので申し訳ありません」
里実の両親は変わらず、覚士を温かく迎え優しかった。
「覚士君ありがとう。体に気をつけて」

作品名:緑の季節【第二部】 作家名:甜茶