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緑の季節【第一部】

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翌年には、里実の体も回復することができた。
そして、その年の秋ふたりは、結婚をした。
覚士26歳。里実23歳。
みんなに祝福されてのことだった。
里実は結婚を機に会社を「寿退社」して家庭に入った。
新婚のふたりは、誰の目から見ても幸せに満ち溢れていた。
覚士も里実とのこの生活が永遠に続くものと信じていた。
そんなふたりの間に突然訪れたそれは、もう避けるには遅すぎた衝撃だったに違いない。

新婚生活も半年を過ぎたが ふたりは楽しい事、嬉しい事の日々ばかり。
両親にもそういう報告する里実が覚士にはとても可愛かった。
「あのね、私遅れてるみたいなの」
「えっ」
「やっだぁ。できたのかな、赤ちゃん。今日診てもらって来るね」
ふたりの喜びは最高に近いものだった。
「着いて行こうか」
「いいわよ。仕事に行って。調べてもらうだけだもん。嬉しい?」
「もちろん」
覚士は、初めてのことに気持ちは舞い上がっていたが、里実に見送られ仕事へと
出かけた。
会社に着くまでの間に覚士は何度か里実の携帯電話に電話をかけたり、メールを送ったりと浮き足だっていた。

作品名:緑の季節【第一部】 作家名:甜茶