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緑の季節【第一部】

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覚士は、七回忌法要参会の連絡を両親や親類に済ませる以外は、通常の生活の中に居た。
ひとつ違うことといえば、再び『*****』に訪れ、モーニングセットのあのサンドイッチを食べに行った。
(どうしようかな)
食べ終えた頃から少しそわそわしていた覚士は、グラスの水をぐびぐび飲み干した。
そして音がするようにグラスをテーブルに置いた。
(・・・あれ?)
仕方なく声をかける事にした。
「すみません。お水貰えますか」
「はい」
ピッチャーをトレイに乗せ、お店の人がテーブルへと来て、カラのグラスに水を注いで
くれた。
「あの。このサンドイッチはメニューにあるんですか?」
「ごめんなさい。これはモーニングセットの時だけなんです」
「そうなんですか」
「お口に合いましたか?」
「ええ。ではまたモーニングに来ます」
「ありがとうございます」
その女性は満面に微笑みを浮かべ、席から離れて行った。
覚士は、注がれた水を一気に飲み干し、席を立った。

作品名:緑の季節【第一部】 作家名:甜茶