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緑の季節【第一部】

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法要もしめやかに行なわれ、その後の会食の席も整った頃、覚士は挨拶をした。
「本日はお忙しい中を、亡き妻里実の三回忌法要にご参会していただきまして、誠にありがとうございました。生前親しくお付き合いして頂きました皆様に、お集まりただきましたことは、妻もさぞ喜んでいることでしょう。
早いもので、妻が亡くなりまして、早2年が経ちました。亡くなってから時は流れているのですが、今でも悲しみと穏やかな気持ちの中思い出をたどる日々です。
しかしその間も、皆様から暖かい励ましをいただき、心より感謝いたしております。
ささやかではございますが、お食事を用意いたしました。どうぞごゆるりとお過ごしください」
覚士は、精一杯考えた言葉を噛み締めながら施主としてその会を締めた。

作品名:緑の季節【第一部】 作家名:甜茶