緑の季節【第一部】
〜『カミサマ』というものがこの世界を創造したとしたら、どうして時間だけに止まる
ことを与えなかったのか?
時の流れは止まることを忘れている。いや、知らないという方が正しいだろうか?
みんながその流れに受動的に流されている。
たくさんの天文学者が、哲学者が、神を自負しているものが言葉を変え語り伝えても
何が本当なんだろう。
難しいことは、わからないな。こんなこと思うヤツなんて「あぶねー」って片付けられ るんだろうな。
流れる時の中、今居る、僕は何をすればいい?
君を守りたかった。ただひとりの君。僕らのコドモになるはずだった誰かに何か残した かった。
僕もこのまま流れの中、呼吸をして生きるために仕事して、それから・・・。
何考えてるんだ?全く笑えることばかり。このまま朽ちていくのかな?〜
額に拳を当て、テーブルに肘をかけたまま目を閉じた。
そんな覚士の頬に熱い雫が流れた。
彼女との別れ以来、忘れていた感覚に覚士自身少し驚きを感じた夜だった。