CROSS 第15話 『せめぎあい』
リムジンから降りた少佐たちは、西行寺を先頭に議事堂に向かっ
た。妖夢を背後に少佐は、群がってきたマスコミにフラッシュをた
かれながら、議事堂の中に入った。
「異次元間弾道ミサイルでの攻撃の自らの責任についてはどうお考
えですか?」
議事堂に向かうときに、射命丸が質問してきた。
「…………」
少佐は無視した。そんな質問はこれから嫌というほどされるのだ…
…。
議事堂に入ると、エントランスがあり、正面に円形の受付があっ
た。エントランスのあちこちに、妖精などの警備兵がおり、少佐を
見張っていた。立入禁止にしているらしくマスコミの姿はなかった
ので、エントランスは静かだったが、ピリピリとした雰囲気だった。
エントランスを通り過ぎて、赤い絨毯が敷きつめられた厳かな廊
下を歩く、
「そこのドアの向こうが議事場よ」
西行寺は前を向いて歩きながら指さしていった。
廊下の奥に大きな扉があった。その高級そうなドアの左右には、
警備兵が立っていた。
西行寺が警備兵にドアを開けさせ、少佐たちは議事場に入った…
…。
少佐が議事場に足を踏み入れたころ、レミリアを乗せたリムジン
が議事堂に着いた。
「あっ!!! 白玉楼のリムジンがあります!!!」
咲夜が少佐たちが乗ってきたリムジンを指さして言った。
「なら、急がないとね」
レミリアはそう言うと、ドアを開けさせた。
少佐の撮影を終えて一休みしていたマスコミがまた群がってきて、
レミリアにフラッシュをたいた。
「異次元間弾道ミサイルでの攻撃の自らの責任についてはどうお考
えですか?」
射命丸が、先ほど少佐にした同じ質問をレミリアにした……。
「うるさいわね」
レミリアはそれだけ言うと、咲夜とともに議事堂の中に駆け込んだ。
作品名:CROSS 第15話 『せめぎあい』 作家名:やまさん