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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・四】くり・栗・みっくす

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「カミカミサラミなんだやな」
コマがソレを口に入れて嬉しそうに噛みだした
「飼い犬の健康を考えたおやつなんだやなvV」
イヌも同じくおいしそうに頬張りながら言う
「…おやつ…;」
二匹が振り切れんばかりに尻尾を降りながら食べるさまを見ていた緊那羅が手に持っていたカミカミサラミを少し齧った
「…美味いか?;」
後ろから声をかけられてカミカミサラミを口にくわえたまま緊那羅が振り返る
「ひょーふへ…;」
カミカミサラミをくわえたまま緊那羅が言った
「おかえりなんだやな~ん」
満足したのか前足を舐めりながらコマが言う
「もっと欲しいんだやな」
イヌが京助を見た
「…乞うな;」
京助が薄手のウインドブレーカーを物掛けにかけて制服のボタンを外しながら言う
「ケチーなんだやなー」
イヌがむくれた
「…食べるっちゃ?」
緊那羅が自分のくわえていたカミカミサラミをイヌに差し出した
「食うんだやな」
イヌが緊那羅の手からカミカミサラミをもらうと嬉しそうに噛みだした
「美味かったか?」
京助が靴下を脱ぎながら聞く
「特においしいとは…;」
緊那羅が苦笑いで答えた
「…そういやお前って好き嫌いあんの? 何でも食ってるよな」
京助が言う
「え? 私…は…」
緊那羅がそう言った後しばらく黙った
「…京助は?」
「俺はエビフライと…まぁエビフライだ」
緊那羅が聞くと京助が答えた
「私の好きなもの…うーん;」
緊那羅が考え込んだ
「いや; アナタそんな無理して答えなくてもいいですから;」
京助が脱いだ制服を持って立ち上がった
「ところで」
まだ考えている緊那羅に京助が声をかけた
「なんだっちゃ?」
顔を上げた緊那羅が聞き返す
「晩飯何?」
京助の声を同時に京助の腹の虫も鳴いた