【第九回・四】くり・栗・みっくす
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「…長っげェ…;」
坂田がボソッと言うと制多迦がヘラリ笑って頭を掻いた
「長さじゃタカちゃんがダントツだったねぇ」
南が笑いながら言う
「臭さはドッコイドッコイだったな」
京助が言う
「えー…京助のが臭かったよ」
悠助が慧喜の膝の上から言う
「俺もそう思う」
慧喜が悠助に賛同した
「…何の競い合いしてるんだっちゃ…;」
「屁」
緊那羅が聞くと3馬鹿と京助が揃って答えそして制多迦が頷いた
「さっきの匂いまだこもってるんだけど」
矜羯羅が器に入ったカリントウと齧りながら言った
「…お前はまだ食うのか」
頬杖をつきながらカリントウをボリボリ齧る矜羯羅を見て中島が言う
「コンちゃんの胃袋四次元ポケット~」
南が旧ドラえもんの声真似をして言う
「…似ってねぇ~…」
坂田が突っ込んだ
「…突っ込めったろ;」
「えっ;」
京助が黙っていた鳥倶婆迦を小突いた
「何のためにソレやったと思ってんだ」
京助が鳥倶婆迦の膝元においてある新聞紙で作られたハリセンを持って言う
「…何のためなの?」
鳥倶婆迦が聞いた
「突っ込み」
南と坂田がハモって言う
「コレはハリセンって言ってさ~…なんだ…アレ…漫才の剣…いわば漫才剣だ」
坂田がまたまどろっこしくわけのわからない説明をした
「漫才剣?」
鳥倶婆迦がハリセンを見て言う
「…おんまえはまたわけのわからん名称をつける…」
京助が言うと坂田がまかせろといわんばかりに胸を張った
「言ったろ? 突っ込め。少なくてもココ…俺ン家じゃ突込みが弱いとやってけねぇぞ」
京助がハリセン(漫才剣)を鳥倶婆迦に差し出した
「キャラを立てないとねぇ」
南がハッハと笑う
作品名:【第九回・四】くり・栗・みっくす 作家名:島原あゆむ