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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・四】くり・栗・みっくす

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「…お前はまだ食ってたのか;」
ゲップをしながら指を舐めていた京助が今だもくもくと皿に避けてあったサンマを食べている矜羯羅に言った
「悪い?」
サンマから少し口を離した矜羯羅が言う
「いいのいいの!! 残っちゃ勿体無いでしょ?」
そんな矜羯羅に母ハルミが三個残った栗ご飯おにぎりを差し出した
「沢山食べなさい」
そしてにっこり笑う
「…はい」
少し間を開けて返事をした矜羯羅を見て制多迦が微笑んだ
「…れしい? 矜羯羅」
そして頭からずり落ちてきたクロを抱いて矜羯羅に聞く
「…何が」
矜羯羅が綺麗に骨と頭と尻尾になったサンマを食べカスが詰まれた皿の上に置くと今度はおにぎりを手にとった
「…くは嬉しいよ…お母さん」
制多迦が言う
「…そう…」
おにぎりに口をつけた矜羯羅がボソッと言った
「コンちゃんもタカちゃんもうぐちゃんも家族って本当?」
誰から聞いたのか悠助が嬉しそうに慧喜と共にやってきた
「…ん」
制多迦が頷く
「じゃぁお兄さんだねー!! 京助よりお兄さん!」
悠助が言う
「俺は?」
慧喜が聞く
「僕のお嫁さん~」
悠助が答えると慧喜が本当嬉しくて仕方がないってカンジで悠助を抱きしめた
「かるらんもけんちゃんもみんな家族っ」
慧喜を抱きしめ返しながら悠助が言う
「…大家族化計画;」
京助がボソッと言った
「あら…いいじゃない? 寂しくないし…」
母ハルミがサンマが乗っていた焼き網のコゲをガリガリと箸で落としながら言う
「お帰りが言ってもらえることとお帰りが言えること…家族がいないとできないでしょ」
母ハルミが言うと京助が嬉しそうな悠助を見て頭を掻いた
「…だな」
京助が小さく言うと母ハルミが笑った