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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・四】くり・栗・みっくす

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「あら大丈夫? 坂田君」
そんな坂田の後頭部を母ハルミが撫でた
「あ、固まった」
南が呟く
「あ、震えだした」
中島がソレに続く
「…阿呆だ阿呆;」
京助が口の端を上げて言う
「だッ…だだだだいじょうブイですハルミさんッ!!」
坂田がかなり動揺した口調で言った
「駄目ようぐちゃんむやみに人を叩いちゃ」
母ハルミが鳥倶婆迦の頭を軽く小突いた
「あ…ご…めんなさい…」
謝った鳥倶婆迦の声はどことなく嬉しそうにも聞こえた
「あ…制多迦さ…」

スッコ-----------------------ン

慧喜がコックリと船を漕ぎ出していた制多迦に声をかけている横からお約束に飛んできた玉が制多迦の額に見事ヒットする
「凄いんだやな…」
口の周りにお弁当兼非常食といわんばかりにご飯粒をつけたゼンが呟いた
「ほぼ真ん中なんだやな」
同じようにご飯粒を口の周りにつけながらまだモフモフと栗ご飯おにぎりを食べながらゴも言った
「矜羯羅君も!!」
矜羯羅が指で玉をはじいたのを見たのか母ハルミが言う
「人に物をぶつけちゃ駄目よ!?」
母ハルミが少し声を大きくして言った
「…わ…」
溜息交じりで何か言おうとした矜羯羅がふと言葉を止めて母ハルミを見た
「…はい…」
そして小さく返事をしたのを聞いた母ハルミがにっこりと笑った

「うっまっ」
黄色くそしてやわらかく火が通ったイモに噛り付いた坂田が言った
「ウマウマ」
南が熱いのかハフハフとしながらイモを頬張る
「コレでみんなして屁ブップーだねぇ」
やっとのことで熱いイモを飲み込んだ南がイモを食べている一同を見て言った
「ゼン等のはまだ焼けないんだやな~…」
もうくすぶりだした落ち葉の山をゼンゴがじーっと見ている
「欲たけてでっかいの取るからだろが;」
京助が最後の一口を口に放り入れて言う
「ぶー!!」
京助の言葉にゼンゴがそろって膨れた
「私の半分あげるっちゃ;」
そんなゼンゴに緊那羅が自分のイモを半分差し出した
「あ…おいちゃんもあげる」
お面の下から口だけを出していた鳥倶婆迦がお面を直して緊那羅と同じくゼンゴにイモを差し出した
「いいんだやな?」
ゼンが鳥倶婆迦を見上げると鳥倶婆迦が頷いた
「もうお腹いっぱいだからおいちゃん」
けふっとゲップまじりに鳥倶婆迦が言う
「いいやつなんだやなー!!」
ゴがイモを受け取るとキラキラした眼差しで鳥倶婆迦を見た
「ありがとなんだやなー!!」
ゼンが鳥倶婆迦に抱きついた
「うゎ;」
「おっと;」
反動でよろけた鳥倶婆迦を中島が支えた
「危ないでしょ! メっ!!」
南がゼンゴに向かって言う
「愛情表現なんだやな」
鳥倶婆迦に抱きついたままでゼンが言った