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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「忘れられない」 第一章 始まり

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「はい、私が夫に構わなかったことがいけないのでしょうが、そんな余裕はありませんでしたから。ショックでした。少し精神的に参ってしまって・・・夫は私の治療に献身的でした。やがて子供たちにも励まされて、今の自分を取り戻しました。こうして老後仲良くやれているのは、あの事があったおかげなのかも知れません。いや、そう思う方が幸せなのです」

多恵子の言葉は深い。夫婦とは、男女とは誰でもこのように愛し合えるのだろうか・・・そう有紀は思っていた。