税金裏話~所得税
寄付金控除
寄付金にはいくつか種類があります。
政党への寄付金の目的は、説明不要でしょう。
ここでは、特定公益増進法人への寄付に関して、その目的をお話します。
何だ、特定公益増進法人とは、……難しい定義はさておいて、学校法人(例・私立大学)や社会福祉法人(例・私立保育園)などです。
このようなところに寄付を出すと、税金が安くなります。このような特殊法人のためではありますが、ちょっと、怖い話が水面下で進んでいます。
ご存知、教育の無償化と関連しています。
教育の無償化は民主党の目玉政策の一つでありますが、文部科学省から、予想通りの大きな抵抗はなかったと思いませんか?
そして、公立高校の授業料無償化に際して、私立高校に子供を通わせている親のデモはありましたが、学校法人が声高々に反対・デモを行っていなかったことにお気づきでしたでしょうか?
何か腑に落ちませんか?
本来ならば、公立高校に生徒をとられると、私立高校は、猛反対するべきだったではないでしょうか?
またも裏読みの名人・へそ曲がり・変わり者と職場近辺で言われる私が、暴露してしまいます。
特定公益増進法人への寄付金控除制度創設の目的は、将来、学校法人などへの国からの補助金を減らすから、それぞれ学校などが特色を出して、生徒を集めるだけでなく、お金も集めなさい……との国の方針なのです。
それは、自民党政権の時の話だろうって?
その通りです。民主党になって制度は残しながら、方針をチェンジした……ことではないです、ところが。
教育の無償化は、かつて日教組が言っていました。日教組はどこの政党を支援していますか、現在? 民主党です。なるほど、いずれは公立大学まで無償化……あれ、私立は寄付のみに頼りなさいって、おかしくないかなあ?
矛盾を感じましたか?
それならば、教育の無償化までの移行措置にすぎないのか?
無償化になれば、優秀な生徒が私立にも入りやすくなり、その時は寄付は関係なくなる……では困るのです、学校法人は。
私立高校・大学が無償化になった場合、学校法人の収は、国からの助成金のみに依存することになります。国からの助成金が増えることは、国の監視・統制が厳しくなり、私立独自の個性が発揮しにくくなります。
個性化・独自色を売りにしている学校法人は、困るのです。
さらに、国に依存することになると、何か問題が起きた場合、学校法人の認定を、簡単に取り消されるえさを、国に与えてしまうことになります。
少子化により、定数維持が厳しくなれば、大学間の競争により、弱小資本の学校法人がただでさえ、つぶれやすくなり始めています。
無償化とは、国に生殺与奪権をすべて握られ、言いなりのおとなしい飼い犬になってしまうことなのです。学校法人が望むことではありません。
だから、私立高校は、公立高校の無償化に反対しても、自分たちも無償化の対象にしなさいと、大声で主張しようとしていないのです。
親達のデモについては、表面上はPTAに同意しても、上記のように真意は反対なのです。
すでに学校法人は少子化のため、競争が始まっています。
かつて、NOVAがつぶれて社会問題になりました。
しかし、今後、大学が倒産して大騒ぎになる時代が、近未来で訪れることでしょう。
その予兆として、ある特殊法人が袋叩きになりました。