税金裏話~所得税
医療費控除
医療費・医薬品を購入した場合、一定条件で税金が安くなることも、広く知られた制度です。
ここまで読んでいただいた方なら、この制度の目的は、もうおわかりでしょう。
誰のためなのか、それは医者と製薬会社のためだと。
そういえば、昔、”ケンカ太郎”と異名をとった人が、日本医師会会長として、長く君臨していました。
しかし、かつてと今では、実は医療費控除対象の内容が大きく変わっています。
かつては保険のきかない自費治療は、原則として、医療費控除の対象でありませんでしたが、現在では、治療目的の歯の矯正や高濃度ビタミンのような自費治療も医療費控除対象に拡大しています。
いいことじゃないか、と素直に喜んでばかりいてはいけません。
なぜ、医療費控除対象が自費まで拡大したのか、その真意はおわかりでしょうか?
拡大によって、また医師会が喜ぶ……いいえ、違います。
本当に医師会のためならば、高額負担の自費治療を、すみやかに保険治療対象にするはずです。
自費ならば、ためらう人もいますので、少しでも保険負担してもらった方が、営業上(医療行為イコールサービス営業行為です)得策だと思いませんか?
目的は、全く違うのです。
要するに、医療費控除対象を自費治療に拡大する代わりに、保険治療としては認めず、
保険でまかなうこと(国の負担)を少しでも減らすことが、この拡大の真の目的なのです。
社会保険・健康保険はほしいけど払いたくない。
かつて、問題になった、保険会社の不払い問題よりたちが悪いのです。合法的すなわち、国に都合がいいだけに。
このことは、国の負担する保険料と、医療費控除で安くなる税金とを比較すれば一目瞭然です。