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TAKARA 未来
TAKARA 未来
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税金裏話~消費税

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(生命保険料)

 損害保険も生命保険も同じことですが、保険料には消費税はかかりません。
支払う保険料に消費税をかけると、多大な種類の保険商品の取扱が難しくなる……保険会社の事務手間を省くためです。保険業界の政治力です。
 ところで、消費税の扱いにおいて、保険料(保険会社にみなさんが払う金額)と保険金(保険会社が事故や死亡時にみなさんに支払う金額)では、その性質が異なっています。
 前者は消費税において非課税、後者は消費税において対価性がない(わかりにくい表現ですが、しばし我慢を)から課税対象外となっています。
 保険を払う場合と受け取る場合で、その性質が異なることに、おかしいなあと、違和感を覚えたのは私だけでしょうか?
 保険金を受け取る場合、死亡・事故という偶発時が原因であり、ギブアンドテイク関係の対価性はない……このような説明で、納得できますか?

 裏の理由です。
 実は、消費税の計算方式と、保険会社の思惑によるのです。
 消費税を事業者が計算して納める場合、原則として、消費税が非課税となる収入の割合が、全体の収入の5%を超えた場合、特殊な計算により、通常の納税額より増えるためです(課税売上割合という名称が使用されます)。
 受け取る保険金が、非課税扱いになった場合、どのようなことが生じるでしょうか?
 企業が、高額な生命保険契約に加入して、満期・または解約時に、多額の保険金をもらった場合を、思い浮かべてください。
 その場合、多くの中小企業で、消費税の非課税収入が5%を超えるため、消費税納税が増えてしまうと、せっかく保険に加入したうまみが消えてしまいます。保険会社だって、商売上、すすめにくくなりますね、当然。
 では、どうしましょうか?
 そうだ、対象外にすればいい。対価性がないとすれば、保険契約も問題なく入りやすくなるではないか。
 こうして、保険料と保険金と、その性質に理屈をつけて変えたのです。
 まさかのための保険に、対価性・見返りがなければ、誰が保険に加入するでしょうか。

作品名:税金裏話~消費税 作家名:TAKARA 未来