税金裏話~消費税
ところで、財界が、大きく反対しないのはなぜでしょうか?
日本の財界主流は、輸出産業・金融産業です。消費税は輸出する時は不要です。つまり、輸出する時は消費税ゼロになり、なおかつ国内で支払ってきた消費税を戻すことができるのです。
輸出競争力をつけるための、この輸出による還付制度がある限り、負担してきた消費税を戻すことができるので、税率が増えても問題ないのです。
また、輸出に直接関係ない大企業においても、預かった消費税と支払った消費税の差額を納めるため、企業負担増加はゼロだから賛成しています。
考えてみれば、直接お客さんと接する飲食業は、反対意見が多いですね。
このように、消費税の仕組みと、経済界の動きをきちんと関連づけて、説明する姿勢が私のような会計事務所勤務の人間に求められるのではないでしょうか。
また、消費税増税ありきの議論の中で、食料品のような日常品の税金は安くしてほしいとの主張があります。
どうなるでしょうか?
おそらく、現在の単一税率から、複数の税率になります。
何で、そこまで自信をもって断言できるのかって?
だって、消費税導入時に次のことが内々に決まっていましたから。
初めて導入する消費税に、複数の税率があると、企業や税務署等の事務処理が煩雑になって、ミスが多くなりやすい。手間も増える。そうなれば、慣れるまでは現場で混乱が生じ、消費者とのトラブルも発生しやすくなる。
その結果、ただでさえ反対の強い消費税への反発が、ますます強くなるので、今後の改正(税率アップ)に、著しい支障が出る危険性(国にとって)がある。
そこで、慣れるまでは単一税率にしよう。
税率を上げる時、すなわち消費税が定着した時に、欧米諸国と同じく複数税率にしましょう。例えば、食料品などを安い税率にすれば、主婦層の反発が減るだろう。
複数税率にするには、そろそろ、次回改正あたりではないでしょうか。