男の決意、そして … その結果
しかし、今日も仕事から帰ってみると、亜伊火は外出中だ。
それは直ぐにわかった。
なぜなら、ソファの上に、
亜伊火の羽衣が脱ぎ捨ててあるからだ。
ここ最近になって、亜伊火はどうも豹柄がお好きなよう。
しかし、あの奇抜過ぎる一着が見当たらない。
大輔は世間体もあり、それを一度隠してみた事がある。
しかし亜伊火は、その奇抜過ぎる豹柄の一着を直ぐに見付け出した。
多分今日はその羽衣を着て、お出掛けなのだろう。
「まあ、シャーナイか」
大輔は最近諦めている。
それは、やっぱり亜伊火は雌豹だとわかったからだ。
今日も、気ままな狩にでも出掛けたのだろうか。
「そしたら、俺は、巣を守る雄豹か?」
大輔はこんな事を一人呟いた。
しかしよくよく考えてみると、雄豹のようにカッコ良くない。
「いや、俺は雄豹とはちょっと違うよな、
どうも、雌豹が捕まえて来た永遠の餌食・イボイノシシのようなものなのかも知れないなあ」
そして、この期に及んで、大輔はハタと気付くのだ。
あの時、亜伊火は言った。
「私が天女なら、その後は、伊香刀美の愛人として、庇護を受け、ある距離を置いて生きて行くわ」と。
今、亜伊火は愛人ライフを満喫している。
そして大輔は、こんな自虐的な事を呟いてしまうのだった。
「うぬ、これが … 男の決意、そして … その結果か」
以上が、世間ではよくありそうな一例だ。
さてさて、他の例では、
もっともっと幸せそうな
どのようなものがあるのだろうか?
おわり
作品名:男の決意、そして … その結果 作家名:鮎風 遊