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予言者

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「どうしてそんなこと知ってるのよ。さては先輩にほの字だな?」
「そんなぁ。職場恋愛は禁止されてますから」
 瑠美は柿崎より十歳も上なので、危うく冗談がきついと云いそうになった。
「じゃあ、どうして職場不倫をしてるのよ」
「えっ?誰と誰ですか、それは」
「知らないの?山下課長と凛子ちゃんよ。本当?本当に知らなかった?」
「沢井さんと課長ですかぁ?それはミスライターでしょう。マッチは廃れたから」
「ハハッ、解説付きのダジャレなんだぁ。今夜連れてってあげようか。思いの外面白いかも」
「あ、け、結構です。血行が悪くて、最近、貧血気味なんです」
「似た者同士ね。わたしは金欠気味なの」
「や、やばいです。降りないと」
「あ、本当ね。乗り過ごすところだったわ。柿崎さんの意外な一面に翻弄されて」

 
                     *

作品名:予言者 作家名:マナーモード