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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・参】瞳水晶

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「ちょと待て;」
京助が片手をストップというカンジで前に出して話を止めた
「どうしたん竜のボン?」
阿修羅が聞く
「…15で一人前って…いうのは…何?; 15で結婚とか…いう…」
「そうだ」
京助が言うと迦楼羅が頷いた
「どこの…いつの時代ですかい;」
京助が聞いた
「…いつ…だった…といわれてもな…; あ~…」
迦楼羅が腕を組んで考える
「場所はな竜のボンたちが今中国だかってよんどるとこで…時代まではわからんきに」
阿修羅が迦楼羅の変わりに答えた
「ちゅ…って…お前等中国語できんのか!?;」
京助が驚きの表情で聞いた
「できるっちゃー…そうなのかもしれんけど…わかるっちゃーわかる?」
阿修羅が言って迦楼羅を見ると迦楼羅が頷く
「言ったであろう? ワシ等は【人間】ではないのだ」
「…それでいいんかぃ;」
迦楼羅が言うと京助が突っ込んだ
「ねぇ~続きは~?」
半紙を途中で止められた為に悠助が膨れっ面で抗議した


「沙紗様!! 沙紗様は何処ですか!」
侍女の慌てふためいた声が屋敷に響いた
「何事だ」
侍女の尋常ではない声に迦楼羅が聞く
「ああ迦楼羅様! 沙紗様の行方なぞは…」
頭を下げ侍女が迦楼羅に聞いた
「知らん…が何事かと聞いたのだが」
迦楼羅が再び聞いた
「沙羅様が発作を起こされ…」
侍女が答える
「おられました!!」
向かいの廊下から男の声がすると侍女が顔を上げ迦楼羅に一礼すると足早に去っていった

「ゆっくり飲んで…そう…そしたら息をゆっくり吐くのです」
天井からたれた布の向こうから沙紗の声が聞こえる
室内には香が焚かれていた
「…ありがとう沙紗…」
疲れきった沙羅の声も聞こえた
「今はあまり話さないほうがいい…」
沙羅の言葉を沙紗が止める
「…見事だな」
沙羅を治療する様を数人の侍女達と見ていた迦楼羅が呟いた
「でしょう?」
何故か沙汰が嬉しそうに言った
「この香も沙紗姉様が沙羅姉様の為に作ったんですよ」
部屋に漂うその優しい香りは何処となく心静かになる…そんな香りだった
「花々を残し他の者は部屋を出なさい。 人気があっては沙羅も心置きなく休めないでしょう」
天井から垂れている布を分けて沙紗が出てくるなり迦楼羅や沙汰達に言った
「後は頼みましたよ花々」
花々と呼ばれた薄紅の着物を着た侍女に沙紗が言うと花々が深く頭を下げた
「沙紗姉様…」
沙汰が沙紗を呼び止める
「大丈夫ですよ沙汰…少し顔を見せてあげてください」
沙紗がふっと微笑んで沙汰に言う
「はい!!」
沙汰が嬉しそうに返事をして沙羅が休む布の向こうへと足早に向かった
「…あなたも早く部屋を出てくださいませんか天の使者様」
迦楼羅の横を通った沙紗が迦楼羅を見ずに言った後部屋を後にする
「っ…;」
思わず怒鳴りそうになった迦楼羅が口を噤んで沙紗の背中をキッと見た後大股で沙紗の後を追う

「待たんか娘!」
部屋を出るなり迦楼羅が声を張り上げて沙紗を呼び止めた
「…何ですか」
あからさまに嫌そうな顔で沙紗が振り返る
「……」
呼び止めたのはいいが何故呼び止めたのか自分でもわからない迦楼羅が黙り込んで数分
「話すことがまとまってから呼び止めてください。私はあまり貴方と話したくないのですから天の使者様」
沙紗がそう言って迦楼羅に背を向け歩き出した
「ちょ…待てと言っているだろう!!;」
駆け足で沙紗に追いつくと迦楼羅が沙紗の肩を掴んだ
「私に触らないでください!」
「っおぁッ!!;」
胸倉をつかまれ見事な足払いを食らった迦楼羅が廊下の欄干を越えて庭に投げ飛ばされた
「私は貴方が嫌いだと言ったはずです」
沙紗がよろりと起き上がる迦楼羅に言う
「用がないならば呼び止めないでください」
「ワシは…ッ!!;」
迦楼羅の言葉を聞こうともせず沙紗が廊下を歩いて行った