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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・参】瞳水晶

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「沙紗姉様; 落ち着いて!!;」
「他人の家に無断でしかも窓から入ってくるとは行儀が悪すぎではないですか?」
黒く長い髪の少女が手に握るのは先に赤い飾りのついた金色の髪
「沙紗…;」
その後ろでは数人の侍女と共におろおろとしている青銀に近い髪をゆったりと伸ばした少女と前髪の一部が上にぴょっこりと跳ねた薄青の髪をした少年が手を出せないままでいた
「沙紗様; どうかお怒りをお鎮めください;」
侍女の一人が黒髪の少女に言った
「かの方は天からの使者様と申しております…そんなことをされては;」
「では天からの使者様とやら…天では窓から他人の家に上がりこむのが礼儀なのですか?」
「だっ!!;」
【沙紗】と呼ばれる黒髪の少女が天からの使者だと言われる人物の金色の髪を思い切り引っ張った
「沙紗姉様ッ;」
薄青の髪の少年が沙紗の手を掴んだ
「もういいじゃないですか;」
「下がりなさい沙汰」
沙紗が言うと【沙汰(さた)】と呼ばれた少年が肩をすくめた
「名も名乗らない方が天の使者なのですか?」
「名乗る時間さえくれなかったではないか!! たわけがッ!!;」
沙紗が握る金色の髪の持ち主は触角のような髪型をした少年
「言い訳は聞きたくありません」
「いだだだだだッ!!;」
「沙紗!;」
容赦なく沙紗が少年の髪を引っ張ると後ろで見ていた青銀の髪の少女が止めに入った
「沙羅…」
【沙羅(さら)】と呼ばれた少女が沙紗の隣に並んだ
「もういいじゃない…ね?」
そう言いながら沙羅が沙紗の手から少年の髪を放させる
「…わかりました…では改めてお聞きします天の使者様とやら…貴方の名前は?」
沙紗がそれでもまだ怒っているのか鋭い視線で少年を見て聞く
「…迦楼羅だ…」
むすっとした少年が自分の名前を言った


「…つぇえな…;」
京助がポソっと呟いた
「うむ…;」
迦楼羅が頷く
「だが…それが沙紗なのだ」
迦楼羅が言った
「いつでも強く…誰より強くいたのが沙紗だった」