小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第九回・参】瞳水晶

INDEX|19ページ/21ページ|

次のページ前のページ
 

「…なくしてから気付く…遅いのにな…」
迦楼羅が悲しそうに笑った
「か細い…小さな手を握って…それまでの気持ちが全て慕いの気持ちだと…」
迦楼羅がまるで何かを握るように軽く自分の手を握った
「…鳥類…」
京助が迦楼羅に声をかけたがそれからかける言葉が見つからないのか黙り込む
「ワシは…続きが聞きたかった…沙紗の…ワシの名前を呼んだ後に続く言葉を…だからワシは…」
「かるらん!!」
段々と早い口調で自分を責めるように話し出した迦楼羅の言葉を阿修羅が止めた
「…もういいやんけ…もう…」
阿修羅が膝に置いた自分の両手を握って言った
「もう…自分を許してやりよ…」
泣きそうな顔で阿修羅が迦楼羅を見た
「…そうはいかん…ワシは禁忌を犯した…乾闥婆は…」
迦楼羅が俯いて言う
「乾闥婆はワシの罪の象徴だ…あやつがいるかぎりワシの罪は消えないのだ…」
迦楼羅が目を伏せた
「乾闥婆…が?」
なんだかわけがわからないっぽい京助がやっと知っている単語を耳にしてすかさず聞いた
「…だがワシは乾闥婆を隣に置く…そう決めたのだ」
顔を上げ迦楼羅が京助に微笑を向けた
「乾闥婆はワシの罪である以上に…大切なものなのだ」
迦楼羅が言うと阿修羅がキュッと唇をかみ締めた
「…かるらん…乾闥婆は…お」
「言うな阿修羅」
もう黙っちゃいられねぇぜ的に口を挟んできた阿修羅に迦楼羅が言った
「ワシは乾闥婆が…あやつがそう言ってくれるまで他人の口からは聞かん…」
迦楼羅が言う
「ワシは待つ…いつまでもな…」
迦楼羅が暗くなりかけている夕空を見上げると京助も一緒になって見上げた