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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・参】瞳水晶

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「…なぁ鳥類」
京助が言う
「なんだ?」
迦楼羅が返事をした
「乾闥婆が言ってたんだけどさ…その…今の緊那羅って…前の【時】ん時のお前と同じ立場にいるって…」
「そうだ」
京助が言うと迦楼羅が即答した
「ワシは前の【時】の時には今の緊那羅同様見極め役という形でこちら側にやってきたのだ」
迦楼羅が言う
「じゃぁ…何か? 緊那羅は…」
「ソレはわからんぜよ竜のボン」
京助が言うと阿修羅がソレをさえぎった
「かるらんが言っただろう? 今までにない【時】だって」
阿修羅が言う
「今までにない【時】…だからどうなるかわからんきに…」
目を細めた阿修羅が京助を見た
「【天】と【空】のヤツらがこんなにも仲良くしてんのは初めてなんよ…今までになかったんよな…こんなことは」
阿修羅が言う
「…だからこそ…なのだ京助…そしてその弟ワシ等は今回来るべき【時】に…何かを望んでいるのだ」
「何かってなんだよ;」
迦楼羅が言うと京助が突っ込んだ
「…何かとは……何かだ」
迦楼羅が答える
「だから何;」
京助が聞く
「何かだ」
迦楼羅が再び答える
「だっからッ!; 何を望んでんのかって!!;」
京助が声を大きくして言う
「何かだといっているではないか! たわけッ!!」
迦楼羅が怒鳴る
「その何かがわからんからきいてんじゃん!!;」
「何かとは何かだと言っているだろうッ!!」
「わっかんねーっつーの!!」
「だから何かだッ!!」
京助と迦楼羅がギャーギャーと言い合い始めた
「何かって?」
悠助が阿修羅を見上げて聞く
「とにかく【何か】なんよ」
阿修羅が答えた
「ふぅん~…何かなの?」
「そう」
悠助が聞くと阿修羅が頷いた
「そっか」
たぶんおそらく絶対わかっていない悠助が笑顔で言う
「こっちン竜のボンは素直だねぇ」
阿修羅が悠助の頭をなでて言った