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ピュワ・アイズ(人気女優殺人事件)

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「こちらは同じく捜査一課真鍋譲二巡査長。座長・・・」
と本庄に目を移した。
「今から現場検証始めますので、鑑識が入りますがよろし?」
有無言わせない迫力で申し渡した。本庄もただ頷くしかなかった。
「なんかごり押し刑事だね・・・」
智美が奈菜に耳打ちすると、聞いてか聞かずか、無表情に
「それからそこのマスコミの方々。捜査上の障害になりますのでお引き取り下さい。」
邪魔を障害と言いかえるあたりは丁寧だが、別に規制を受けるいわれはない。この発言に奈菜が頭にきた。
「何を言っているんですか。私たちは真実を伝えようとしているんですよ。報道を規制・・・」
というと、黙っていた宗像が口を開いた。
「私はサンセットTVのチーフディレクターで、番組の現場責任者の宗像です。我々は現場に数台のカメラを設置しており、捜査上必要な映像をご提供できるとおもいますが・・・?」
たしかにこんな都合のいい捜査資料はない。紅刑事の顔がニヤッと歪んだ。
「そうですか。それではご協力いただけると言う事ですね。」
そんなやり取りを見ていた奈菜は少々紅刑事に文句言いたげだった。
「なんでマスコミ追いだそうとするのかしら・・・?」
「そりゃ、捜査中不都合な場面を、勝手に報道されると困るからよ。犯行現場では規制線張ってシャットアウトするものなの。ただ、宗像さんは捜査資料握っているから大目に見ろって言ったわけよ。案外やる時はやるのね。」
「でも、あの紅って刑事、嫌な感じだわ・・・」
興奮気味の奈菜に困った顔の智美は
「でも、事件の事は警察に任せるしかないんじゃない?」
マスコミは傍観者だ。仕方ない・・・。ただ悔しい奈菜だった。

舞台の隅で紅刑事が一人づつ事情を聞き始めた。奈菜達は最初に呼ばれたのは本庄座長だ。公演責任者なので当然だ。
「実は公演前、不審者が楽屋に忍び込んでいる形跡があって、楠くんの楽屋も荒らされました。」
(ああ!あのことか・・・という事は外部犯なのね)
よくドラマに出る推理を見ている気がした。座長とすれば中の人間の犯行にしたくはないだろう。
「これが犯行メッセージです。」
デジカメで撮った犯人の文章の画像を見せていた。
「なるほど・・・最近ではマニアによる過激な事件が後を絶ちませんね・・・。偏愛的なマニアの犯行の線とも言えなくもない。」
本庄は少しホッとした表情になった。外部の線で捜査してほしいのが正直だろう。