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ピュワ・アイズ(人気女優殺人事件)

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本庄は未だに信じられない顔している。
「これについては、わたしの情報屋仲間に応援頼みました。ヤスオ君!アレを配って!」
ヤスオは何かの紙を配り始めた。その間に
「座長!美香さんは確か、高校の時『全国高校演劇コンクール』で最優秀賞を取ったから注目されたんですね?」
「ああ、そうだ!彼女の演技が皆に認められて、名前が全国的になったのだ。それから今の事務所にスカウトされたのだ。」
「では、美香がその高校でナンバーワン役者でないとしたら?」
「!」
この言葉に衝撃を受けた!
「そんな事が・・・」
「これは7年前の彼女の出身校、聖カタリナ高等学園の演劇部のプログラムです。これはコンテスト前の物です。見てください。」
「……」
奈菜に促されプログラムをのぞいた。
「主役は望月香苗になっているぞ!望月君は同じ学校だったのか!」
「そうですね。座長も知らない事実です。」
「なんてことだ。美香君はわき役になっているぞ。望月君の方が主役とは・・・」
「私の情報屋仲間が、当時の顧問に電話取材をしたところ、当時の演技力は二人が飛びぬけていたようです。コンテスト前の段階でむしろ香苗さんが上でしたが、望月さんが役を譲ったそうです。」
「なぜだ一番の晴れ舞台を譲ることはない!」
「最優秀賞クラスの才能が二人もいれば、優勝は当然と言えます。聖カタリナ高等学園は優勝し、主役の美香が受賞し、時の人となった。譲った理由を顧問は覚えてました。香苗さんは練習中に足をひねり、当日主役を降りざる負えなかった。もともと演技力抜群の美香さんはその日の代役を物にしてしまった。運が無かったのね。」
無言だった香苗が口を開いた。
「たしかにそんな過去あったわよね。だけど過去に生きる気はないわ。私はそんな事で人を殺すことはないわ。」
「しかし、一度奪われたチャンスを取り戻すため、この本庄劇団に入った。この本庄劇団は蒲生忠典がいる名門です。受賞歴のない役者を起用することはない。それでもあなたはチャレンジした。そんな中、再び美香さんが目の前に現れた。過去を再現するようにあなたは思ったでしょう。」
「動機はいいわ!私が犯人の証拠はなによ!」
もう取り乱していた。
「そのドレスよ。その前に第一の犯行の意味を言っておこうかしら。この切り刻まれたドレスの証拠の説明もいるし」
「……」
「第一の楽屋での切り裂き事件は、ただ単に変質者の存在をアピールするだけではありません。殺害後、アリバイのため自分が演じるために必要なものはなにかしら?」
「・・・それは、自分の衣装だろ・・・」
蒲生が言った。