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ピュワ・アイズ(人気女優殺人事件)

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宗像から離れるとあるイメージが頭に浮かんだ。美香の楽屋であの人が見ていた目だ。女の勘でひっかかっていたイメージ。あの人も何か思っていた筈だ。
しかし、ここでは調べられない。情報屋仲間に応援を頼もう!彼女は様々な地位、場所に情報屋ネットワークを持っている。携帯に電話をかけた。電話の相手が出る。
「おうっ!奈菜ちゃんか!」
相手は帝都新聞社会報道部猿又護理男だ。猿に似ているわけではない。無精ひげを蓄えた体育系だ。わりと二枚目だ。事情を説明し、あの人を調べてほしいと頼んだ。警察もノーマークなのだ。舞台上で起きた事件で、あの人は対象外にされている。でももしかしたら、このままでは別の人が犯人になってしまう。ただ、あの謎が全てを阻んでいる。直前まで演技していた「楠美香」だ。
頼むことを頼んで物証になりそうな“アレ”を追う事にした。あれが無いと私の推理は裏打ちできない。皆と離れ、“第一犯行現場”の美香の楽屋に来た。さすがにすぐ片づけられ、犯行声明文も綺麗に消されていた。それを見た奈菜は守衛室に向った。アレが片づけられたとなると守衛室だろう。アレらは証拠品なのだ。ごみではない。行くと何袋に分けられた、切り刻まれた衣装が何袋に分けられ置いてあった。
「やっぱり・・・」
守衛さんに
「取材ですけど、この袋調べていいですか?」
「いや、警察に渡すんだけど・・・」
「といことは、まだ警察の証拠品じゃないんでしょ?」
「そりゃ、まあ・・・」
と言って守衛さんの白手袋借りて中をさばくった。
「あった・・・ある筈のない物が・・・」
奈菜はとうとう見つけた。そして叫んだ。
「犯人をすっぱ抜いたわ・・・!」

奈菜が戻ると紅刑事が若狭を囲んでいた。
「若狭大空さん。重要参考人としてご一緒に来て下さる?」
あいかわらず澄ました者の言い方だった。
「なんで俺なんだよ!」
「動機もあり、ちぎれたボタンは何よりの証拠。争った跡と言えるものだわ。」
どうやらそれだけで決めつけているようだ。
「ちょっと待って!その人は犯人じゃない!」
その言葉に紅刑事が反発した。
「なーに?レポーターさん。探偵気取りでもするの?」
「違うから違うと言っているんです。私の話を聞いてください。」
隣でカメラを回していたクルーが色めきあった。
「あんたのとこの探偵さん、止めてくださる?捜査の邪魔です。」
紅刑事は宗像に公務執行妨害でも言いだしそうだったが、宗像が割って入った。
「いい絵じゃないの。番組的にはスキャンダラスでいい。」