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真実を纏う蝶

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警官ともみ合いにある。カーテンを遮ってしまった。警報が鳴る。愛を引きとめたのは、普段無口な長沢だった。
長沢「気持ちは分かるが、下手に動かせば余計なことになる。」
長沢は展示物を不用意に動かされることに黙っていられなかったらしい。
愛「それとも何、大人しく怪盗とやらに渡すつもりなの?この絵を隠すほうが安心よ!」
蟻塚「こいつらまともじゃねぇな・・・」
独り言のように言う。
蟻塚「はい、そこ落ち着いて。逮捕することになるぞっ!」
愛「分かったよ刑事さん。止めればいいんでしょ、その代わり盗まれたらあんたの責任だからねッ!」
ふて腐る愛、蟻塚は愛をなだめている。
あげは(気が短いにしては、大げさね・・・)

突然、どこへ行っていたのか壁紙の束を持った三沢が後ろから割り込んできた。
三沢「なんだ?盗られちゃったッすか?・・・ああよかった、無事だったっス。」
愛「のんきに!あんたどこへ行ってたの?」
三沢「俺の仕事っす。準備してたっス。怪盗相手だけが仕事じゃないっす。」
この二人は相性なのか、喧嘩は珍しくないようだ。騒々しい中あげははうろうろ画のまえをうろつく。三沢がポールに触りながら絵の横1メータのところに来た。
三沢「だいたい、こんな広い場所で盗めるわけ・・・」
大きな窓のカーテンの上部より煙が発生。部屋中に充満し始めた。
蟻塚「やつか!警戒しろっ!」
煙で誰が誰か分からなくなる。
蟻塚「絵は・・・画は無事か?」
警官「警報なし!まだ・・・」
混乱はしているが、警官はまだ絵の前を離れない。
「爆弾だ!」
誰かが煙のなか叫ぶ。
愛「爆弾!冗談じゃないわ!」
あげはたちはすぐ絵から離れた。
蟻塚「しかたない!一時退避!」
煙で何も見えない。。
しかし、大きな音が鳴った。「バサッ!」
蟻塚「何だ、今の音は!?」
警報は最後まで鳴らなかった。
作品名:真実を纏う蝶 作家名:藤居