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真実を纏う蝶

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場所 現代アートセンター 特別展示室
コノ字の部屋にずらっと絵が並ぶ。入口に「円山等伯特別展」の文字
蟻塚「おぉ、これが円山等伯の絵か。」
あげは「すっごく綺麗です。なんというか少女が涼む姿がすがすがしくて。」
三沢「こいつこそがこの世で最高の芸術っス。」
円山等伯の絵にはポールで囲いがしてあって、警官が二人立っている。八十センチスペースがあり、上下に防犯カーテンのセンサーがある。
あげは「ところで、この美術館の警備はどうなってます?」
急に警察官の一人が自信満々に答えた。
警察官「まさに完璧。まず建物にもセキュリティーが張り巡らされ、代表的な美術館に引けを取りません。赤外線が張ってあるから盗んだ瞬間警報が鳴ります。それに二十四時間警官が交代で警備します。」
あげは(自信満々ね。湖畔の美術館で夜間でも侵入しづらいわね)
説明不足を蟻塚がつけたす。
蟻塚「ということだ。夜間でも隙はない。明日いっぱいこの絵を守らなきゃいけない。」
あげは「でも、夜間とは限らないんでしょ?」
その問いに蟻塚がギクリ。
蟻塚「ははは・・・脅かさないでくれよ。白昼堂々、みんなの前で・・・」
あげは「でも、そんな中盗んでいったわよ、彼。お父さんもそれで悔しがってた。」
たしかに、いろんな仕掛けで警察を煙に巻いていたのは蟻塚も知っている。
蟻塚(まさかな・・・)
一方であげはは、ふと、三沢が居なくなっていることに気付いた。
あげは「ねえ長沢さん、三沢さんが居ませんが大丈夫ですか?」
長沢「壁紙を張り替えたいって言い残して出て行ったよ。昨日だれかに傷付けられてたから修復するんだ。大丈夫すぐ戻る。むこうだ」
指差す場所はかなり奥だ。全く関係ないようだ。
あげは「おじ様、あれって非常口じゃない?」
蟻塚「ああ、そうだ。もちろん、外に警官を一人配置している。」
窓から確認すると中庭の所に確かに立っている。
あげは(壁紙なんて事件終わってからやればいいだろうに。あんな奥じゃあ、ミスター・シーフの仕業ではないだろうけど・・・。)

割って入るかのようにトラブル発生。愛が焦って円山等伯の絵を別の部屋へ隠そうとする。
愛「まったく、大丈夫なわけ?盗られるの分かってこんな場所に置いておけないわ!私が隠すから、渡してちょうだい。」
作品名:真実を纏う蝶 作家名:藤居