真実を纏う蝶
あげは「変に肩持つわね。でも『円山等伯』の美術品しか狙わない、フェチ怪盗でしょでしょ?そんな変な奴、チャンスがあったらとっちめてやるんだから!あんたもそうおもうでしょ?」
萱場「俺は知らねえこった。本人にもそれなりの思いがある・・・事件のことばっかりしつこいなぁ。」
黙ってその場を立ち去る萱場。
あげは「ホント、話を会わせない奴!」
と言いつつ、声をかけてしまうあげはだった。
萱場隼はアゲハのクラスメートでボーイフレンド。切れ長の目で流す髪はどことなく今時のイケメンの二枚目キャラだ。
アゲハ「テストではいっつも上位の成績優秀、部活はバスケ部の主将で、本当はすごい奴なのになぁ。でも校則は破りまくり!」
心情が複雑なアゲハ、萱場の姿が目に浮かぶ。
場所 あげは家の玄関
玄関口にパトカーが止まっている。
あげは「ちょっとー、何?」
訝しげに首を傾ける。ちょうど助手席から中年の男性が下りてきた。あげはは顔を見て
あげは「あら!珍しい人!おじ様!」
男性も気づく
蟻塚「久しぶりだね。あげはちゃん。」
男性は警視庁第三課の蟻塚警部だ。
あげは「警部さん!今日は何のご用?」
蟻塚「君のお父さんの追っていた怪盗『ミスター・シーフ』が予告状出しやがって!」
あげは「それ知ってる!5年ぶりなんでしょ?」
蟻塚「そうなんだよ。君のお父さんが亡くなって、奴もしばらく現れなかったが、この間予告状をターゲットに貼りつけやがったんだ。」
蟻塚は顔は怖くて、言葉は綺麗ではないが、人の良さを感じられる雰囲気だった。そんな蟻塚を慕う
蟻塚「今度、対策本部の部長になったんだ。」
あげは「あ~あ、ごあいさつ?」
蟻塚はにっこりして指をあげはに刺した。
蟻塚「ご明察・・・さすが感がいい。。そういや、あげはちゃんは昔から何か鋭いよな・・・」
蟻塚「親父殿、いや君のお父さんに就任のご報告させてもらいたいんだ。引き継ぎみたいな物だから」
あげは「まずは、上がってください。」
家に上がった。仏壇に手を合わせる蟻塚警部。