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真実を纏う蝶

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場所 パトリック高校 校門
皆「おはよー」
朝の校門を通りぬける生徒たち。明るく元気な声で満ちている。
教室に向う女生徒の後ろ姿。周りから声をかけられる。後ろ姿清楚に両側縛った髪型でブレザーだ。
教室に入ると始業前で生徒が談笑している。女生徒は自分のカバンを下した。隣にはなにやらざっくばらんで、足を伸ばした男子が居る。女生徒の名は紋代あげはだ。活発で聡明そうな顔をしている。
あげは「隼、おはよー。」
萱場「……」
あげは「おはよーっ」
大きな声であいさつするも目をつぶって微動だにしない。あげはは呆れた顔をする。萱場の耳のイヤフォンを抜く。
「おはよーってば!」
驚く萱場。
萱場「な、なんだよ!」
あげは「おはよーって言ってるでしょ?それにこういうウォークマン持ち込み禁止でしょ?生活指導に見つかったら没収よ!」
萱場「なに、そんなドジじゃねえよ!他になんか用か?」
あげは「今日の新聞見た!?怪盗ミスター・シーフの予告状について載ってたけど。」
ぐっと乗り出すあげは。たじろぐ萱場。
あげは「大胆にも、美術館の展示物を盗むって話よ。しかも予告状はその絵に貼り付いてたんだって!」
萱場「・・・言うのは勝手だけどさ、何でお前が口はさむんだよ!」
あげは「あたしのお父さん警視庁の盗犯対策班の捜査第三課だったんだから!怪盗『ミスター・チーフ』を追ってたの。幼なじみのあんたは知ってるでしょ?」
萱場「いつも聞かされていたからな。」
あげは「犯罪って許せないよね。人の物盗むなんて!ねえ、あんたはどう思う?」
そう言ったときに、萱場が急にあげはの顔に指を刺した。
あげは「・・・なによ?」
萱場「お前は学生だろ?勉強するもんだろ?志半ばで親父さんは亡くなって気持ちは分からないでもねぇが・・・」
萱場「警察に任せろよ!相手は盗みの代名詞の様な名前がつくぐらい、警察を出し抜く手口だ。」
そう冷めたように言う。あげはは膨れている。
作品名:真実を纏う蝶 作家名:藤居