真実を纏う蝶
がっくりくる三沢
真田「おかげでこっちは損害が出そうだ。本来なら無事、展示会が開催できたのに。」
三沢「残念だよ、俺の愛は叶わなかったぜ。」
手錠を三沢の手に掛ける蟻塚。
蟻塚「お前を威力業務妨害および窃盗未遂の現行犯で逮捕する!」
あげは「結局、あなたの片思いに終わったようね。」
三人の後ろから近づき話しかけてくる愛。
愛「ねぇさっき、呼ばれたような気がしたんだけど。」
あげは「三沢さんのセリフよ。そんなに愛が私は安っぽい物とは思わない。今のは気のせいですよ。」
愛「あなたすごいね。学生さんなのに。なかなかの手際だったわ。それにしても私を疑ったことある?」
あげは「小浜さんの行動に事件性はなかったから大丈夫。」
蟻塚「これで一件落着ですな。犯人逮捕はお手柄でしたよ、探偵さん。」
事件は一見落着した。蟻塚が被疑者を所轄の警察署に送ると言うので、しばらくあげはは美術館で過ごすことになった。そのあげはに近づく者が。
長沢「玄人の手並みでしたな。さすが血を引き継いでいるようだ。」
あげは「ふふふ・・・なんか変と思った。いないわけがなかったのよ」
長沢「ほう、何のことですかな。」
長沢とあげはは今日あったばかりの筈だ。
あげは「あなた言ったわね、『予告状は偽物だった』と。そして犯行が行われおじさまは犯行声明のカードは本物と言ったわ。三沢さんも驚いたんじゃないかしら。」
長沢の表情はかわらない
あげは「だって本物が現れたんでしょ?あなたは偽物が犯行予告しているのを新聞で知り犯行を邪魔した。だって自分が盗むんでしょ」
長沢「ご名答。さすがですね。」
あげは「もちろん私はあなたの正体知ってましたよ。だって、あんなこと言うのは、真犯人が怪盗・ミスター・シーフではないと知っている者、つまり本人ですわ。」
長沢のそばに何人もの警官が居ることを知った。
長沢「ははは、抜け目ないとこは親父殿そっくりだ。でも私もこの展開読んでました。さあ、私も仕事が終わったので帰りましょうか。」
あげは「ええっ!何ですって!」
長沢「じつはね。三沢君はもう一本発煙筒用意してましてね。」
発煙筒を炊く。
あげは「すぐ取り押さえて!」