真実を纏う蝶
叫んだが煙が晴れると本物の怪盗・ミスター・シーフは消えていた。
蟻塚「なるほど・・・奴は本物ですな。」
といって現場検証中の現場から「湖畔の少女」が消えていた。
あげはは悔しくい思ってもなぜか変な思いが残っていた。
あげは「今日初めての筈なのに、何か知っていた気がするのは何故?」
場所 パトリック高校 教室
事件解決の翌日、パトリック高校で萱場と再会することになったアゲハ。
昨日の疲れがあって少しだるい。
あげは「怪盗ミスター・シーフはなんで人にまず盗ませたのかしら?だってあの人なら人に出し抜かれることもないんじゃない?」
萱場「あっそう、じっちゃんのファンの手並みを拝見したんじゃないの?」
あげは「あんた何いってんの?」
萱場「きょ、今日の新聞に書いてあった・・・それ以外の何でもない。」
誇らしくほほ笑むアゲハ。
あげは「えっへん、事件はわたしが解決したの。すごいでしょー?」
腕を頭に組んで聞き流す萱場が言った。
萱場「バーロー、怪盗の正体も分からんくせによく言うなぁ。」
あげは「今回は解けなかっただけ、次からは絶対暴いて見せるから!」
目を光らせて叫ぶあげは。
萱場「暇人だな、俺はこれ以上付き合わんから。じゃあな。」
あげは「ちょっと、たまには話全部聞いてよ!結構頑張ったんだから。」
萱場はいろいろ意味不明な言葉を言い残して去ったが、アゲハはそれを素直に受け取った。
あげは(変な奴・・・ボケちゃったかしら。)
梗概
物語は紋代あげはの通うパトリック高校で男友達の萱場隼との何気ない会話から始まる。彼女は前に警部だった父を亡くしていた。家に帰ってきたら玄関にパトカーが止まっているが、乗っていたのは「おじ様」こと警部の蟻塚だった。彼曰く、その頃ちょうど箱根の現代アートセンターでは「円山等伯特別展示会」が行われ、会場に展示される絵の一つ「湖畔の少女」に怪盗ミスター・シーフの犯行予告状が貼り付けられる。
あげはは蟻塚とかつて彼女の父が追っていた怪盗を捕まえるために箱根へ車を走らせる。
二人が会場の特別展示室に向うと目の前で突然煙幕が張られて一瞬のうちに絵が盗まれてしまう。白昼堂々の犯行、しかも警備は万全だった。絵の周りには警官を配備し、赤外線の幕を張っていて接触は不可能だ。しかも僅かな時間で絵が消えた。最大の焦点は手掛かりの見えない犯人探しだった。現場にいた警官たちはすぐに捜査を開始する。規制線が張られる中、あげはは本物の怪盗の犯行でないことに気づき、額縁に残された手掛かりを元に相棒の蟻塚と共に真犯人を暴きだすために奮起する。
この作品は、女性が探偵という試みの本格推理漫画だ。学生の視点で学校生活と探偵としての生活を描いているのが特徴だ。原作は藤居英明で、自分がそれを文章化した。物語の幹部である探偵と怪盗の戦いは典型的な推理小説の題材と言える。最近は女性が主役の推理小説があるので、漫画にもできないかと模索して書いたのがこの作品だ。特に女性が読んでいても感情移入できるように目指し、あげはのクラスメートとして隼が物語に登場しているし、警部の蟻塚が主人公にとって相棒のような存在になっていることから、身近なストーリー設定になっている。