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真実を纏う蝶

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蟻塚「今度は俺からの依頼にしよう。拝見させてくれ・・・」
長沢が加勢
長沢「美術品は私が扱おう。どれ、三沢君。渡してくれるね?」
三沢は長沢に絵を渡した。見るとこの絵も大きな絵だった。
額縁を下ろし裏からカンバスを外し、表を見た。
真田「いったい、これは・・・」
愛「表は贋作よ。しかも・・・」
長沢「下のカンバスは盗まれた円山等伯画伯の『湖畔の少女』!」
蟻塚が驚いた。三沢は露骨に震える。
蟻塚「君は知っていたのか!」
長沢「そうか、絵の大きさか。」
真田「縦と横の違いだが、額縁は同じF三十形だ。大きさが同じだから利用したわけか。」
愛「三沢君が怪盗・ミスター・シーフなわけ?」
いきなりの展開に騒然とした。
あげは「おそらく違うと思う・・・」
真田「君はこの事件分かっているようだな。説明してくれ。」
あげは「真実が殻をわり現れます。」
蝶がさなぎから出てくるようになぞ解きが始まる。

あげは「三沢さんは本物です。怪盗・ミスター・シーフの変装ではありません。」
真田「では、なぜ、学術員である彼がこんなことを・・・」
あげは「この絵に対するかれの異様な執着心ですわ。愛さんとのケンカを思い出して下さい。」
愛「そういえばあんた異様に入れ込んでたわね!」
三沢「俺はただ言われた絵を運んだにすぎねぇ。たまたまだ。命令した人物かも知れないじゃないか!それによ、だからって俺が犯人とは飛躍しすぎじゃねぇか?」
三沢に今までの爽やかさはなかった。
三沢「では、俺がことを大きくして、警察まで巻き込んで何で盗みやったのか説明しろよ。」
あげは「それは証人を作るため・・・」
三沢「何いってんだ?証人とは誰のことだ。」
あげは「警察よ。」
愛「ああ、そうか。この犯行を怪盗・ミスターシーフに仕立てるのよね。」
長沢「だから、警察を呼んだんだ。怪盗・ミスター・シーフの犯行なら、その後、追跡されるわけないからな。」
三沢「俺という事にならねぇよ。」
作品名:真実を纏う蝶 作家名:藤居