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真実を纏う蝶

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長沢以外去る。長沢はあげはの隣にいる。あげははぶつぶつ言っている
あげは「何か絶対ある筈よ・・・」
長沢「意外と単純じゃないんですな。絵も秘められたメッセージを込めることがあります。」
あげは「……」
長沢「私はね、この事件で違和感があるのですよ。ずっと前から。」
あげは「?どういうことかしら?」
長沢「・・・そもそもね、この事件は予告状から始まってます。」
あげは「ええ、絵に貼ってあったということでしょ?」
長沢「確かに怪盗・ミスター・シーフの手口で予告するっていうのが変と思うのですよ。予告状も偽物だったらしい。それに盗む獲物に予告状を貼れるぐらいなら、その場で盗んだ方が早いでしょ?何もわざわざ・・・」
あげは「!」
長沢の言いたいことが分かった。
あげは(これでは何かのデモだわ・・・)
あげはに疑問が生まれた。

あげは「まずは現場からね・・・」
といって絵に近づいた。それに気付いた蟻塚が遮る。
蟻塚「悪いがここまでだ。後は我々が・・・」
あげは「職務上分かるけど、手口見えてます?」
蟻塚は部外者を入れるべきではないと思うが、でもまともな事件とも思えない。
蟻塚「鑑識が来ると近寄れんぞ。それまで少しだけだぞ・・・」
あげは「さすが話が分かるーッ!大好き!」
照れる蟻塚。鬼の目に照れ笑い。
あげはと蟻塚は現場の絵の額縁を注意深く観察する。
特にアゲハは正面や横、色々な角度から見て調べていく。
白い手袋でなぞる。白い手袋が何かにひっかかる。
あげは「なにかしら、これ?」
蟻塚「なんだ?」
あげは「ここ・・・」
蟻塚「何かの接着剤かなんかだ・・・」
あげは「ここにもあるわ・・・」
どうやら額縁のガラスの四隅にあるようだ。
あげは「絵はガラスの中よ。こんなところに接着剤なんておかしいわ・・・もしかして・・・」
そして、額縁を調べ終え、周囲のポールに触れようとすると・・・
三沢「そこには触れるなっ!」
作品名:真実を纏う蝶 作家名:藤居