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椎名 李砂
椎名 李砂
novelistID. 32369
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星屑リング

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パタパタと帰り支度を始める周囲にあわせるように帰り支度を始めて一足先に出たのを追いかけるように俺も店を出る。
むっと蒸し返るような夏の夜の空気の中俺は佐鳥あすな隣にならび
「俺ジュエルドラゴン集めてるんだ。よかったら見せてくれないかな」
既に出来上がってる周囲の親友ぐらいしか知らない俺の隠れた趣味に今更回りはなんとも思わないがあすなに話しかける俺を見て肉食女は驚きの視線を俺に向けていた。
「今からは・・・用事あるんだけど・・・」
よくよく考えれば色気とか一切感じなかった地味っ子だって一応女の子だ。
知り合って、やっと口を聞く仲になったのにいきなり週末の夜に突撃訪問は無いだろうと言う事だが・・・
「じゃあ、別の時に、な?」
言えば彼女は少し困り顔で
「・・・じゃあ、別の時に」
しぶしぶとだが約束をしてくれた。
それから次どうすると言う話題が出た所で
「ボクこれからバイトあるんだ」
またねと1人雑踏を駆け抜けて行った彼女を見送って、珍しくコアな話しを出来た俺は周囲の友人らを見回して
「わりぃ、俺も帰るわ」
気を遣ってるんだぞ言うように雑踏の中に紛れこんで行った俺を見る視線は何処か微妙だった。





作品名:星屑リング 作家名:椎名 李砂