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河上かせいち
河上かせいち
novelistID. 32321
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モントリオールのおじいちゃん

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 サユキはおじいちゃんとおばあちゃんの家で、まるでメイドのようによく働いていた。
 ディナーの準備を手伝ったり、洗濯物をたたんだり、おばあちゃんと一緒に家の掃除をしたり、母さんとマーケットに買い物に行ったり。
 おじいちゃんが動けない分、おばあちゃんがひとりで家事全部をやっていたから、おばあちゃんは助かるわあと言って喜んでいた。
「AJもサユキみたいにお手伝いしてくれたら素敵なのに」
 母さんがいじわるく言った。
 だって、日本人は働くのが好きなんだ。カローシしちゃうくらいだもん。
 僕たちが来てからは、サユキとおばあちゃんと母さんの女3人で、キッチンで料理の支度をしながら楽しそうにお喋りしているのを見かけた。
 まるで最初から家族だったかのように、サユキはこの家に馴染んでいた。
「サユキにあげるクリスマスプレゼント、何がいいかしらね」
 ある日、リビングでおじいちゃんと紅茶を飲みながら、おばあちゃんは僕にそうつぶやいた。
「んー、さあ」
 僕はDSをしながら、上の空でつぶやいた。
「あの子ね、チョコレートが好きなのよ。でも、カナダのチョコレートはちょっと甘すぎるって言ってたわ。やっぱり女の子だから、お洋服かしらね。あの子いつも可愛らしい格好しているものね。暖かいセーターなんかどうかしら。なんにせよ、今度ダウンタウンにショッピングに行かなきゃ・・・」
 おばあちゃんがうきうきした声で話を続けている。僕はゲームに集中していた。このラスボスが、なかなか倒せないんだ。
 すると、おじいちゃんが、何やら声をあげた。
「なんですか、おじいさん」
 おばあちゃんが歩み寄って、耳を傾ける。
「ssss、sa、サユキの、プレゼント、」
 ほとんど歯のなくなった口で、おじいちゃんが喋った。
「わしも、買いに、行く」
 僕は顔をあげた。
 おばあちゃんは穏やかな表情のままで、
「・・・そうですね、行きましょうか」
 と言った。
 僕はDSを持ったままがばっと立ち上がって、地下室へと駆け下りた。
 おじいちゃん、去年は車椅子で自由に動けないからって、僕へのクリスマスプレゼント買いに行かなかったくせに。
 サユキのプレゼントは買いに行くだなんて。
 なんでサユキなんかのために?
 なんで?
 左手に持ったままのDSから、ちゅどーんと音が漏れた。
 またラスボスに倒されてしまったらしい。
 Damn it !
 Nintendoなんか嫌いだ。