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Minimum Bout Act.02

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「良く言うぜ。最初にお願いしたのに俺を殺そうとしたのはそっちだろ? ほら、どっちだ?」
 明らかにウェイはカッツより小柄で、力では敵わない。仕方なくウェイはシンを連れて行った病院へカッツを案内することにした。
 何より捻られた手首が今まで味わった事がないほど痛い。
「はああ。こんな事がバレたらリーダーにどやされるぜ……」
「心配すんな。リーダーもろとも、近いうちにお前ら反政府軍は全滅させられる」
「は? 何だって?」
 驚いた顔でウェイはカッツを振り返る。まだ腕はしっかりと後ろ手に捻られているが、先ほどのように力を入れられていないのでもう痛くない。
「長い戦争に終止符を打つつもりなんだよ、政府とplainは」
「はあ? どういう事だよ? plainは俺達反政府軍に物資をずっと流してくれてたんだぞ!?」
「詳しい話しはシンと合流してからだ……あ、まさかもうチェイスの息子に殺されてるとかって事はないよな?」
「ふんっ、それはない。Jr.はこの間爆撃を受けて怪我をして動けないんだ。それに、ヘイズのシンは殺す為に探してたんじゃない、何か大事な事を伝えたいからなんだとさ」
 ウェイのその言葉を聞いて、カッツは安心した。取りあえずシンの死体と対面することはなさそうだ。それに、先ほどのルーズの推測が正しい事の裏付けも取れた。
「そらあ良かった。あ、そうだ。一つ聞いてもいいか?」
「なんだよ?」
「さっきから爆音や銃声が聞こえるけど、悲鳴が聞こえないよな? あれはどういう事だ?」
 そうなのだ。カッツは市街地に入ってから、その事がずっと気になっていたのだ。
「最近はこちら側は物資が足りないんだ。だから空砲を撃ったりしてただ威嚇してるだけなんだよ」
「政府軍が攻撃してきたら意味ないだろ?」
「知るかよ。今総攻撃くらったらひとたまりもないが、あいつら気の抜けた弾しか撃って来ないんだ」
「ふうん、なるほどな……よし、んじゃ、急ぐぞ」
 やはり政府軍は反政府軍の様子を見ながら殲滅する時期を見計らっているようだ。それが何故かは分からないが、とにかく今はシンとチェイスJr.に会わねばならない。
「おい、押すなよ痛いんだから! もう少し力抜けよ、馬鹿力! 逃げたりしねーからっ!」
「最初に言っただろうが、俺は馬鹿力だって。男なら少しくらい我慢しろっての!」


作品名:Minimum Bout Act.02 作家名:迫タイラ