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Minimum Bout Act.02

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 『カッツ、もう反政府軍側まで到着した?』
 先ほどシンが身を潜ませていたのと同じ建物の影で、カッツはルーズからの無線をキャッチした。
「おう。今目の前に境界線が見えてるぜ。ってお前、軍施設の中から無線使ってんのか?」
 上着の中から銃と閃光弾を取り出し、セットして安全装置を外す。
『今は車に戻って来てる。それに傍受されないようにしてるから安心して。ーーそうじゃなくて、政府軍側のコンピューターをハッキングしてたら、とんでもない情報を見つけたの。ジャイロ少将が言っていた半年前の作戦だけど、休戦に持ち込むどころかチェイスをわざと殺して、一気に攻撃して反政府軍側に打撃を与えるつもりだったみたなの』
「どういうことだ?」
『軍の情報によると、組織から反政府軍の動向や武器、食料なんかの貯蔵量データが漏れていたみたい。もしかしたら組織は反政府軍を使って実験をしていたんじゃないかしら……それである程度データが取れたから、そろそろ捨てようって腹なのよ』
 余計に分からなくなってしまった。カッツはボリボリと頭を掻き、ルーズの言葉を理解する為に頭の中を整理する。
「ーーーあ〜。なんだ? データってのは反政府組織が政府と戦争をやった場合、どういう風に人や武器が動いて、どの程度の金が必要かとか、そいう事か?」
『恐らく』
「んで、組織はリドヒムで何十年も前からそのデータを取って、もう十分だからこの辺で一気に政府に加担して反政府軍の連中を始末しようって事か?」
『ええ』
「それとチェイスが殺された事と何か関係があるのか?」
『チェイスが以前使っていたパソコンのデータを探したんだけど、消去されていたの。復旧作業をしてたんだけど、全部は無理だった。で、チェイスは政府の動きがおかしい事になんとなく気付いていたみたいなのよ。確信があった訳ではないみたいだけど、ジャイロ少将と2人で話した時のデータが見つかったわ』
「……ジャイロのヤツ、体よくチェイスと反政府軍を一気に潰したって訳か」
 ふと物陰の向こう側に人の姿を捉え、カッツは声を潜めた。
「誰か来る。ルーズ、ジャイロに動きを感づかれないように気をつけろよ。シンと合流出来たら連絡する。すぐにステーションに戻れるように上手い事待機しといてくれ」
作品名:Minimum Bout Act.02 作家名:迫タイラ