Minimum Bout Act.02
握りこぶしを作り、カッツはジャイロに背を向けた。歩き出したカッツをルーズが引き止める。
「待って、カッツ」
「お前はここにいろ。戦場には連れて行けない」
「嫌よ、私も行くわ」
「俺達は武装してないんだ。襲われた時、お前がいると足手まといだ」
「電流弾ならあるわ。相手を痺れさせるくらいなら……」
「駄目だ!」
きつい口調で言われ、ルーズは仕方なく黙る。カッツは一言ジャイロに、ルーズを頼む。とだけ言い残して部屋を出て行った。
「部屋へ案内しよう……心配いらない。カッツとシンは強い。ちょっとやそっとでは死にはしないさ」
何も出来ない自分を恨めしく思いながら、ルーズはぐっと目をつぶった。
作品名:Minimum Bout Act.02 作家名:迫タイラ