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黒い満月

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だけど、ここまで来れば、私も引き下がれませんよね。

「ミッキッコが望む明るく輝く太陽、
そのためには、たとえそれが夢であろうと、

太陽/月/地球と一直線に並んで、填まり込んでしまった月を
動かさないとダメなんだろ、
しかし、そんなこと出来っこないしなあ、

月は止まらず、いつも通りに公転し続けて、
何事もなくそのツボから抜け出して行ってくれることを祈るだけだよ、

そんな神頼みをしなければならないような夢 … 1万円で充分だよ」 

私はそのように言いかけました。
しかし、ミッキッコが好きなものですから …  
これ、言えませんでした。

ホント、おいどんはアカンたれでごんす。

そして詰まるところ、めっちゃカッコを付けて、
「じゃあ … 3万円で買い上げるよ」と宣言してしまったのですよ。

これに対し、ミッキッコはまだまだ不満そうに見えましたが、
「目標価格は10万円よ、だけど7割引特価で許して上げるわ」と直ぐさま反応して来ました。


作品名:黒い満月 作家名:鮎風 遊