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黒い満月

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だけど、私にはさっぱりわかりません。
女って、ホント摩訶不思議な生物なんですよね。

唐突と … 泣き出すものですから。

で、ここはわからないついでに、私はもう一つ聞いてみました。
「で、ミッキッコは結局僕に … どうして欲しいの?」

するとミッキッコは、流していた涙を今度は取り出したティッシュで綺麗さっぱりと拭き取って、なにか覚悟を決めたかのように、
その泣き顔をキリッとした表情に切り変えて、意外なことを重々しく口にするのですよ。

「良樹さんに、是非買って欲しいものがあるのです」

だが、私にはまだそれがどういうことなのかわかりません。

「買って欲しいって、何を?」とすぐさま聞き返しました。


作品名:黒い満月 作家名:鮎風 遊